
先週の介入に引き続き、今週も下値試しの一週間でした。
先週、介入によって1月からの上昇トレンドラインを割り込んだと書きましたが、これをもう少し下にずらすと、見出しのようになりました。

これはΣ( ̄□ ̄|||)
先週はぎりぎりトレンドライン上でとどまっていたことになる。
トレンドラインは、長期になればなるほどたくさんのパターンで引くことができます。
何度も引き直して微調整することが必要ですね。
とはいえ、結局そのラインも下抜けて安値を切り下げました。
介入きっかけで7月ポジション整理の円高がやってきたと見ています。
一方で下げれば押し目を拾ってくる円キャリー取引も健在で、下値を切り下げつつもブレーキ役になっているもようです。
では、今週の相場を振り返ってみます。
ドル円 今週の振り返り
はじめにお伝えしたとおり、今週のドル円は大口のポジション調整による下攻めと円キャリー取引の押し目買いとの大きなシーソーゲームでした。

週明け月曜日は日本が休場。
ドル円はやや反発して158円を回復。
その後は158.3円を高値にロンドン、ニューヨークと下攻めしました。
しかし1月以降のトレンドライン上では買い意欲が旺盛で、底堅く推移していました。
そんななか、ロンフィク後に前週安値を更新して大きく売り込まれましたが、すぐに切り返してこの時間足が底打ちのサインであるカラカサとなりました。
ニューヨーク引け直前にさらにショートカバーが出て陽線となり、これがパターンブレイクとなってここから反発が始まります。
火曜日は東京がゴトビの振り替え。
実需の買いにも支えられて値を伸ばして戻りは158.7円まで。
その後はレンジとなりました。
再び動き出したのが水曜日の東京時間終盤です。
大きな売りのフローが出て急落。
ロンドン序盤で一気に156円まで安値を更新しました。
木曜日はさらに安値を更新して155.35円まで。
そこからは切り返してショートカバーも出て157円を回復。
金曜日のロンドン序盤に下攻めの大きな動きが出るものの単発となり157.5円で取引を終了しています。

とにかく値幅が大きく、動き出したら上にも下にもちょっとやそっとでは止まらない相場でした。
安易にポジションを持ってもすぐにストップをつけられる状態で非常にトレードとしては難しかった半面、上手く天底をとらえられると大きな利益が出たという人もいたのではないでしょうか。
7月円高の法則
先週の記事や、1万円チャレンジの収支結果の記事で何度もふれていますが、ドル円には7月円高の法則があります。
これは、ドル円月足チャート見ると分かるように、過去4年は7月の足が全て陰線となっていることから今年も陰線で終わるという法則です。

おそらく、8月の夏休みに向けて大口がポジションを閉じることが原因なのではないかと言われています。
では今年の実際はどうでしょうか。
今年は、7月の第一週に162円目前からの大きな売りが出て2円近く下落しましたが、押し目買いが異様に強く、翌週は跳ね返されて再び162円を目指す動きとなっていました。
このため先週末に日本の為替介入がされたわけですが、それまでの間にポジション調整的な大きなフローが出たのかと言われますと出ていなかったのではないかと思います。
週初めの売りは短期筋による仕掛かと考えています。
しかし、今週水曜日にトレンドラインを大きく割り込む売りが出ました。
売りの規模的にこれこそが大口のポジション調整なのではないでしょうか。
ただ、今のところ単発に終わっていて、今後まだそういったフローが出るのかどうか、来週以降も注目ですね。
来週の相場分析~ファンダメンタル
来週の主要な指標です。
日付 | 国 | 指標 | 前回値 | 予想 |
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7/24(水) | アメリカ | 新築住宅販売件数 | 61.9万件 | 64.5万件 |
アメリカ | 新築住宅販売件数 | -11.3% | 4.2% | |
7/25(木) | アメリカ | GDP | 1.4% | 1.9% |
7/26(金) | アメリカ | PCEコア | 2.6% | 2.5% |
全てアメリカ指標です。
いずれも一時的に大きく動く程度で、大勢に影響はなさそうです。
円安要因について見てみます。
ファンダによる円安要因
- 貿易赤字
- 円キャリー取引
- NISAなどによる外国株投資
貿易赤字については、先週6月の統計が発表され、2240億円の黒字となっています。
つまり先月は実需による円安圧力がなく、逆に円高圧力となっていたことになります。
ただ季節調整後の数字は8000円ほどの赤字です。
ですから、今回の黒字は季節性の一時的なものだということになり、慢性的な貿易赤字の改善には至っていません。
ところで貿易黒字の6月は今年の高値を超えて円安が進んだ月です。
つまり、実需による押し上げはなくその中身は円キャリー取引などの投機ということになります。
NISAなどによる外国株投資もドル調達する点から円安要因になります。
続いて円高要因です。
ファンダによる円高要因
- 7月円高の法則
- 日米金利差縮小による円キャリー取引の解消
- 為替介入
7月円高の法則については既に説明しました。
日米金利差縮小は、指標次第であり、7月最終週の日銀、FOMCに影響するかと思われます。
為替介入についても、先週の記事で説明したとおりです。
今週の動きを見ていますと、今のところ効果ありです。
来週の相場分析~テクニカル

サポートラインを割り込んでサポートがレジスタンスに代わり、週末にこのレジスタンスを試して終わっています。
教科書的にはここから再下落するときれいですね。

この部分もそうですが、今週はブレイクアウトトレードがよく効きました。
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移動平均線も下向きで下落トレンドへの瀬戸際です。
ただMACDは横ばいから下値を切り上げて上に向かいそうにも見えますので要注意です。
まとめ
今週のドル円は、1月からの上昇トレンドラインを割り込んで、大きく下落しました。
週末は反発しましたが、絶好の売り場で終了しています。
7月はあと3分の1あります。ポジション調整による円高フローもまだ出る可能性があり来週は下値を探る展開が予想されます。
一方で、円の先安観は根が深く、下げたところでは旺盛な買いが何重にも控えている状態で、ポジションが大きくショートに偏ればたちまち踏み上げられることもあり、一本調子な下げにはなりにくいと思っています。
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