

jiiko
日銀金融政策も現状維持で終わり
ドル円はいよいよ去年の安値を更新に向かうのかって時だけど
何やらドル安っぽい声が聞こえてきたぜ
そうだな。まだ為替への影響はあまり出ていないけど、
アメリカや日本の株が売り込まれていてちょっと注目されているみたいだな。
これから為替への影響もあるかもしれないからちょっと情報を整理しておこう。

アメリカ国債格下げのニュース
8月2日日本時間の朝、ドル円は前週の日銀政策金利発表を受けて円安基調でした。
しかし、突如としてアメリカ国債格下げのニュースが出ました。
ドル円はわずか数分で80pipsほど急落しました。
その後はいったん値を戻しましたが、そこからの戻り売りが強く再び大きく下落する動きとなりました。

株も売り込まれて、ニュース以降日経平均は二日で1200円ほど下落しました。

格下げの概要は下のとおりだぜ
米国債格下げの概要
〇 格下げしたのは? ・・・ 大手格付け会社「フィッチ・レーティング」
〇 何を格下げした? ・・・ 外貨建てのアメリカ国債
〇 どれだけ引き下げられた? ・・・ 「AAA」から「AA+」
〇 引き下げられた理由は? ・・・ 今後3年間にアメリカ財政が悪化する懸念、政府の借金の上限、債務の上限問題

要は
アメリカの財政が悪化しそう・・
だから大手格付け会社が
アメリカ国債の信用を一つ落とした
ということだぜ
アメリカのイチ企業が騒いでいるだけでそんな影響があるのか?


「ムーディーズ」「S&P」と並んでフィッチはアメリカの三大格付け会社なんだ。
世界で最も安全と言われるアメリカの外貨建て国債の格付けを引き下げるというのはかなりのインパクトがあるぜ。
格付け引き下げによる影響

実は12年前の2011年8月にも、アメリカ国債が格下げされたことがあるんだぜ。
確か、その時は「S&P]が今回のフィッチと同じように「AAA」から「+AA」に引き下げたみたいだな。


よく知っているな。
そう。
その時もアメリカの財政悪化懸念が格下げの理由だぜ。
2011年米債格下げショック
〇 2011年アメリカではずっと「債務上限問題」に関して民主党と共和党との折り合いがつかず争っていた。
〇 このため、アメリカでは債務(国債を発行してする国民からの借金)の上限を超えると財政が破綻する可能性が出てきた。
〇 そこで格付け会社S&Pがアメリカの長期国債を「AAA」から「+AA」に格下げした。
そうなのか。
それでその時の市場はどういう反応をしたのかな。


S&Pはさらに財政赤字が悪化すればさらに格下げすると警告した。
その結果、世界的に同時株安となったぜ。
為替相場も大荒れで
ドル円は当時1ドル79円台そこそこだったのが大きく円高が進み、1ドル76円台に進んだんだぜ。
日銀が4兆円の円売り介入をしたんだったな。


まあ、背景が今とは少し異なるが、今回も市場は当時とよく似た反応をしていて注目されているぜ。
今のアメリカの財政

アメリカはコロナ禍から立ち直り、目の上のたんこぶだったインフレが収まってきたんじゃなかったのか?
格付けを引き下げられた理由を教えて欲しいぜ。
そうだな。
ひとつはアメリカ政治家の長年の茶番劇。
そしてもうひとつは「コロナ」と「インフレとの闘い」が原因だぜ。
下にまとめたぜ。

アメリカ財政懸念の理由
ひとつめ
〇2011年当時と変わらず、アメリカの議会は相変わらず債務上限問題で茶番の争いをしている。そのたびにアメリカ財政が危機に直面している。
ふたつめ
〇アメリカはコロナ禍以降たくさん支援をした結果、財政が拡張(つかうお金が多くなった)した。
〇拡張した財政をまかなうためにアメリカは国債を発行して資金を調達し続けなければならない。
〇一方で現在アメリカはインフレに対応するために金利をどんどん上げている。
〇アメリカは今後国債を発行するにも、支払う利子が多くなりさらに財政が拡張する。

茶番と言ったのは、債務上限問題では長年同じ問題で共和党と民主党が争っており、結局、期限が切れる直前で合意することが繰り返されたきたからだな。

そのとおりだぜ。
今のアメリカはトランプ以降、二極化が進んでいるぜ。
フィッチは「米連邦議会議事堂襲撃事件」に言及しながら、二極化が進んだ結果こんな事件が起き、茶番が続くんだって暗に言ってるんだぜ。
米国債格下げでおこること
今回アメリカ国債が格下げされたことで起こりそうなことを教えてくれ。


為替の方はいまのところ落ち着いているが、株は大きく売られ、米金利が上昇しているぜ。
米金利が上昇しているのは国債が売られているからだぜ。



アメリカの金利が上がるということはドル高でいいのか?

ちがうぜ。
この場合はリスクオフだからドル売り。
だからドル安だぜ。
2011年も同じようにドルが売られ、円が買われたぜ。
まとめ
今回の格下げは実は予想されていたことでした。
今年の5月にフィッチが格下げ方向で見直すと発表していたからです。
このため市場も今のところ反応は限定的です。
米財務長官のイエレン氏は格下げは「古いデータに基づくもの」「会社による身勝手な行動だ」と非難しています。
その他著名人の反応も限定的です。
ただ、このようなネタはいつ蒸し返されるかもしれず、頭のかたすみにおいておいた方がいいかもしれません。