

FXは土日を除いて24時間取引可能だな。
日本が真夜中でも地球の反対側では、活発に為替取引がされているからね。

ということは時間帯によって取引プレーヤーが変わるということである。
例えば、午前中は東京や香港などのアジア、深夜はアメリカという風に主体となるプレーヤーが変わっていく。
人種や国籍が変わるということは、考え方も異なるため取引形態が時間帯によって大きく変わってくる。
この記事では、為替市場の時間別に見た主なプレーヤーとその特徴を理解したうえで、勝つための戦略について説明する。
この記事でわかること
- 取引時間帯と主なプレーヤー
- 取引時間別の特徴
- 取引時間に応じた戦略
FXの取引時間帯と主なプレーヤー
FX市場は24時間オープンしていることは前に説明したとおりだ。
そこでそのうち節目となる時間帯と主なプレーヤーについて下にまとめた。
時間帯 | 主なプレーヤー |
---|---|
6時~8時 | シドニー、シンガポール、香港 |
8時~15時 | 日本、シンガポール、香港 |
16時~26時(17時~27時) | ロンドン |
21時~6時(22時~7時) | ロンドン、アメリカ |
カッコ内は冬時間である。
この他にも、各国で祝日となっている場合は相場はほとんど動かないことが多いので小まめにチェックしておきたい。
取引時間別の特徴
アジア時間
アジア時間
〇 中心はシンガポールと香港
〇 日本にはインターバンクディーラーが存在せず、個人投資家が主体。
〇 ドル円では輸出入の実需の動きも活発
アジア時間早朝は、取引参加者も少なく、いわゆる相場が薄い状態なので突発的に大きく動くことがある。
その後15時までは、シンガポールと香港が活発に動く。
日本では現在、インターバンクディーラーは存在せず、為替に影響を及ぼすのは実需の企業と個人投資家である。
特徴としては、おおむね8時ころから仕掛けが入る。
その後9時ころから仲値までは日本の輸入企業によるドル買いが出る。
一方輸出企業のドル売りは一日を通して要所で出る。
仲値までは実需と投機が入り乱れ、ポジションを読みやすく比較的勝率の高いトレードにつなげることが出来る。
これを仲値トレードというが、詳しく説明した記事はこちら↓
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仲値トレード~実需の特性を利用して利食う
東京時間序盤に活発化する実需取引。それまでの投機筋のポジションを観察し買い切り玉でインパクトの大きい実需がこの投機筋にどう影響を与えるか考えてポジションを持つ。この勝率の高いトレード手法について解説。
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仲値以降は、再びシンガポールや香港による一方向への仕掛けとなることが多いが、この時ポジションが偏っていれば反対売買により大きく反転することもある。
ポジションの偏りについて詳しく書いた記事はこちら↓
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FX ポジションの偏り~投機筋のポジションが偏ると相場は逆に動く
FXにおける価格変動の仕組みについて説明。FXにおいて価格の決まり方は買えば買うほど上がるという一般的な考えは実は危険である。その理由について説明する。
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ロンドン時間
ロンドン時間
〇 15時から早出組が入って来て、ストップロス狙いの短期勝負に出る
〇 本体が入ってくる17時以降は、いったんポジションの調整があり、その後一方向に大きく動く。
〇 ニューヨークの入ってくる直前20時台にポジション調整がある。
〇 経済指標にも大きく反応する。
15時になると、ロンドン勢の早出組(アーリーバードと言う)が相場に入ってくる。
アーリーバードはまず、アジア時間に捕まったポジションがあればストップロスをつけにくる。
その後ロンドンの本体が入ってくる。
ロンドン勢は攻撃性が高く、相場を一方向に大きく持っていく特徴がある。
特にアジア時間に出来たストップを目ざとく見つけ、それをつけるために延々と取引を繰り返す。
節目としては、15時台、本体が入ってくる16時台、それから取引が活発化する17時台。
さらに、ヨーロッパ各国の経済指標にも大きく反応し相場が上下に振れることがある。
ニューヨーク時間
ニューヨーク時間
〇 序盤はロンドン勢のストップ狩りとなる事が多い
〇 序盤に重要指標の発表が多く、大きく反応する。
〇 24時のドンドンフィキシングでも大きく動く。
〇 アメリカ当局者の発言にも反応する。
相場を大きく動かして猛威を振るったロンドンもニューヨーク勢が入ってくると、今度は終われる立場となる。
このためニューヨークタイム前の21時ころからはロンドンのポジション調整が入りやすい。
そしてニューヨークタイムに入ると、ニューヨーク勢は逃げ遅れたロンドンのストップロスをつけるために相場を動かす。
またアメリカの経済指標が発表されるので、これに反応し相場が大きく動く。
さらに24時はロンドンフィキシング(東京の仲値と同じ)でユーロドルを中心に相場が大きく動く
これは為替の基準レートが決定されるため、例えば1ユーロ1.1ドルになりそうなら、その直前の1.09ドルで大量に買っておこうという風に思惑が入るためだ。
さらに、アメリカ当局者の発言でも相場が動くことが多い。
取引時間に応じた戦略
アジア時間
アジア時間は仲値トレードをおすすめする。
日本の貿易赤字は相当な額で、これに投機が向かってくれば逆張りで反発を取れる可能性が高いし、投機が乗っかってくれば順張りで大きく取れる可能性が高いからだ。
仲値トレードの記事はこちら↓
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仲値トレード~実需の特性を利用して利食う
東京時間序盤に活発化する実需取引。それまでの投機筋のポジションを観察し買い切り玉でインパクトの大きい実需がこの投機筋にどう影響を与えるか考えてポジションを持つ。この勝率の高いトレード手法について解説。
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時間帯別戦略は以下のとおり。
時間 | 戦略 |
---|---|
早朝~8時 | 相場が薄く、様子見 |
8時以降 | 香港、シンガポールの方向が見えてくる。9時までなら追随も可 |
9時以降 | 仲値トレード |
10時以降 | 仲値トレードで入れなくとも、投機が捕まっているかどうか判断できるなら11時台、13時、14時台の買戻しに乗る |
14時台 | それまで一方向に偏っているなら、反対売買が入る可能性あり。逆張りの検討 |
ロンドン時間
ロンドン勢はとにかく相場を一方向に持っていく。
このため逆張りは原則としてしない(かなりの確率でそのポジションは切られる)。
とにかく押し目を待って順張りで入るが、押し目も振れ幅が大きいので安易な値ごろ感で入ると切られる。
反転するかのように見える大きな押しが押し目。
この場合でも指標結果や要人発言等を検討して、本当の反転理由がないことを確認すること。
時間帯別戦略は以下のとおり
時間 | 戦略 |
---|---|
15時 | 初動に乗るのもあり。ただすぐに反転することもあるので、感触悪ければ撤退。 |
アーリーバードはアジアのストップを攻めようとするが、固いと思えば手のひら返して反転する | |
16時 | 基本的に15時の動きに追随する。 |
17時 | それまで攻めていた方向で高値安値を付け終わっていたりすると反転することもある。 |
利が乗ったポジションがあれば利確を検討。 | |
17時30分以降 | ロンドンの動きが本格化。とにかく一方通行が多いので逆張りはしない。 |
反転するのかと間違えるほどの押しが押し目となることが多い | |
20時 | ニューヨーク勢参入に備え、ポジション調整が入りやすい。逆張りするならこの時間帯以降 |
ニューヨーク時間
ニューヨーク時間は重要な経済指標で振らされるので、指標発表前はポジションを持たない。
全て発表されて方向が分かれば順張りでついていく。
ロンドンの逆をやることが多い。